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アマローネとはどのようなワインですか?

簡潔な回答

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラはイタリア・ヴェネト州のDOCGワインで、収穫後に陰干し(アパッシメント)した黒ブドウ(コルヴィーナ主体)から作られる。アルコール度数15〜16%に達する濃縮した赤ワインで、乾燥プルーン・チョコレート・タバコ・コーヒーの複雑な凝縮感が特徴。古代ローマ時代から続く製法だ。

詳細な回答

アマローネは世界のワインの中でも最も独特な製法から生まれるワインの一つだ。アパッシメント(appassimento、「陰干し」の意)という陰干し製法はヴァルポリチェッラで古代ローマ時代から行われており、もともとは甘口の「レチョート(Recioto)」を作るためのものだった。アマローネは20世紀半ばに発酵を完全に行った辛口スタイルとして確立され、「アマロ(苦い)」という名が示すように甘さが残らない力強い赤ワインを意味する。

製法のプロセスは以下の通りだ。9月末〜10月初旬に収穫されたブドウを平らな棚(アアリ、または現代ではステンレスのラック)に広げ、約90〜120日間(または特別なスタイルでは180日以上)自然乾燥させる。この間に水分が40〜30%蒸発し、ブドウの糖分・酸・色素・タンニンが凝縮する。乾燥中に貴腐菌(ボトリティス・シネレア)が適度に発生することで香りの複雑さがさらに増す場合もある。

使用品種はコルヴィーナ・ヴェロネーゼが主体(45〜95%)で、ロンディネッラ、モリナーラ等が補完する。産地はヴァルポリチェッラ・クラッシコ(最高峰、ネガール・サン・マルティーノ等)と広域ヴァルポリチェッラに分かれる。クラッシコエリアの急斜面(モライン地形)が最高品質の産地だ。

法定熟成期間は最低2年(うち樽熟成、従来は大型スラヴォニアン・オーク、現代派はフレンチ・バリック使用も)。リゼルヴァは4年以上。出荷後さらに5〜10年の瓶熟成で最高の複雑さに達する場合が多い。

驚くべき事実として、アマローネの製造中に作られる「リパッソ(ripasso)」というスタイルが存在する。ヴァルポリチェッラの通常ワインをアマローネの搾り粕(アパッシメント後の残留皮・種等)と一緒に再発酵させることで、中間的な濃縮感を持つ「ヴァルポリチェッラ・リパッソ」が生まれる。これは「使い回し」ではなく、二つのワインスタイルを橋渡しする巧みな職人技だ。アマローネと比べて価格が大幅に抑えられ、入門用として優れたコストパフォーマンスを持つ。

アパッシメント製法はヴァルポリチェッラ以外でも世界各地に広がっている。イタリアのパッシートワイン(マルサラ・レチョート等)の他、スペイン、南フランス、近年は日本でも陰干しブドウの試みが始まっている。アマローネの技術的精髄—水分蒸発による凝縮と適度な貴腐の複合—は、ワインにおける「乾燥による熟成」という普遍的な製法として世界のワイン醸造に影響を与え続けている。アマローネの価格帯は幅広い。生産者によっては20ユーロ台から入門できるが、最高峰(ダル・フォルノ・ロマーノ、キンタレッリ、アレグリーニ等の特別キュヴェ)は100〜300ユーロ以上に達する。最高峰でなくても、信頼できる生産者の標準キュヴェでアマローネの本質—凝縮・複雑・長寿—は十分に体験できる。アマローネと並ぶヴァルポリチェッラの個性として、甘口の「レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ(DOCG)」がある。アパッシメント後の発酵を途中で止めて残糖を残した甘口で、チョコレート・チェリー・アーモンドの凝縮した甘さを持つ。アマローネと同じ製法の出発点から正反対の甘口・辛口という二つの方向性が生まれる—この二面性がヴァルポリチェッラ製法の哲学的深みだ。

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