ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとはどのようなワインですか?
簡潔な回答
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはイタリア・トスカーナ州モンタルチーノのDOCGワインで、サンジョヴェーゼ・グロッソ(現地名ブルネッロ)100%から作られる。法定最低熟成期間は5年(リゼルヴァは6年)と世界最長クラスで、力強いタンニンと高い酸が特徴。19世紀にビオンディ=サンティ家が品種を育成・確立した。
詳細な回答
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはイタリアを代表する最高峰の赤ワインの一つで、その誕生には明確な人物がいる。1865年頃、フェルッチョ・ビオンディ=サンティがモンタルチーノの丘で特にこの地に適したサンジョヴェーゼのクローン(ブルネッロ)を選抜・育成し、現代的なブルネッロの基礎を確立した。家族経営のテヌータ・イル・グレッポーネ・マズィーニは現在も同じ哲学を守り続けている。
産地はモンタルチーノという単一の自治体(約3400ha)に限定される。海抜120〜567mと標高差が大きく、南向きと北向きでは全く異なる微気候を持つ。南西向きの低標高区画(カステルヌオーヴォ・デッラバーテ方向)は温かく熟度が高い。北東向きの高標高区画(サンタンジェーロ・イン・コッレ方向)は冷涼でミネラル的。この違いが単一の産地内に多様なスタイルを生む。
法定熟成期間は世界最長クラスだ。ブルネッロDOCGは樽熟成最低2年(スラヴォニアン・オーク)を含む計5年以上、リゼルヴァは6年以上。出荷時には既に5〜6年の熟成が完了しており、プレミアム産地では市場に出てからさらに5〜10年の瓶熟成を推奨する。この長いタイムスパンはブルネッロを「忍耐を要求するワイン」の典型とし、開けるタイミングの判断も愛好家の醍醐味の一つだ。
「モンタルチーノ・スキャンダル(ブルネロポリ)」と呼ばれる2008〜09年の品質偽造問題では、複数の有名生産者が外国品種(カベルネ等)を混入していたことが発覚し、産地の信頼を大きく傷つけた。この事件はDOCG規制の監視・強化につながり、産地の自浄作用の難しさを露呈した。
驚くべき事実として、ビオンディ=サンティ家のセラーには1888年ヴィンテージのブルネッロが今も存在すると言われており、100年以上を経ても飲める状態が確認されている。ワインが人間の寿命を超えて生き続けるという事実は、生産者の技術と自然の条件が完璧に噛み合った時にのみ起きる奇跡を示している。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのセカンドワイン「ロッソ・ディ・モンタルチーノ(DOC)」は、同じ産地・同じ品種から作られながら1年程度の熟成で出荷されるため、ブルネッロの入門として優れたコストパフォーマンスを持つ。同一生産者の「ロッソ」と「ブルネッロ」を飲み比べることで、熟成期間がサンジョヴェーゼにどれほどの変容をもたらすかが鮮明に理解できる。ピラミッドの裾野から頂点への道がここに用意されている。ブルネッロの最高の食のパートナーはやはりトスカーナの食材だ。白トリュフ(オリーブオイルで風味付けしたタリアリーニ・アル・タルトゥーフォ・ビアンコ)とブルネッロの組み合わせは、秋のトスカーナが提供する究極の体験だ。脂の多い赤身の牛肉、チンゲール(猪)のブラザート等との相性も完璧で、土地と食とワインの三位一体が感じられる。ブルネッロのセカンドワイン「ロッソ・ディ・モンタルチーノ(DOC)」は同じ産地・同じ品種から1〜2年の熟成で出荷されるため、ブルネッロへの入門として優れたコストパフォーマンスを提供する。同一生産者の両者を比較することで熟成の意味を理解できる。また、ボルゲリのDOCG「モレッリーノ・ディ・スカンサーノ」等、モンタルチーノ周辺の小産地にも注目すべき逸品が存在する。