醸造におけるプレスワージュ(圧搾)とは何か?
簡潔な回答
プレスワージュ(pressurage)とは機械的な圧力によってブドウ果汁を抽出する工程であり、醸造の根幹をなす重要なステップです。白・ロゼワインでは発酵前(直接圧搾)に、赤ワインではマセラシオン後に行われます。現代の空気圧式プレス(メンブレン・プレス)は0.2〜2バールの穏やかで段階的な圧力で、全体の60〜70%を占めるフリーラン・ジュース(最も繊細)と15〜20%のプレス・ジュース(よりタンニン質)を分離し、醸造家が品質ごとの果汁を選別できます。
詳細な回答
プレスワージュはワインのスタイルと品質に直結する技術的判断の連続であり、醸造家の哲学と設備の選択が最終的なワインの個性を決定する極めて重要な局面である。どのような圧力を、いつ、どのくらいの時間をかけて与えるかという問いへの答えが、シャンパーニュとブルゴーニュを、ボルドーと南ローヌを隔てる無数の差異の確固たる根拠のひとつとなっているのだ。表面上は地味な機械的工程に見えるプレスワージュだが、この局面での選択と判断こそが醸造家の品質哲学を最も直接的かつ具体的に体現する場であり、それゆえ優れた醸造家ほどこの工程に深く注意を払う傾向がある。
圧搾機の種類はそれぞれ異なる品質哲学を体現している。空気圧式プレス(メンブレン・プレス)は現在最も広く使われており、ゴム製メンブレンが0.2〜2バールで徐々に膨張しブドウを穿孔ドラムに対して圧迫する。抽出が穏やかで果汁の分画が精密に行えるため、品質志向の生産者に支持されており、設備コストは容量によって2万〜8万ユーロに及ぶ。垂直式プレス(プラトー式)はシャンパーニュとブルゴーニュの伝統的な選択であり、二枚のプレートが上からゆっくりと圧搾する(1サイクル4〜6時間)。抽出が緩やかなため雑味が少なく、極めて高品質な果汁が得られる。連続式プレス(スクリュー式)は大量生産向けであり、高圧で効率よく抽出するが品質は劣る。
シャンパーニュにおけるコカール・プレスは、4000kg(マール)を処理する規格化された特殊な垂直式プレスであり、AOCシャンパーニュの規制によって4000kgのブドウから最大2550Lの果汁しか抽出できない。このうちキュヴェ(最初の2050L、最も繊細でアロマが豊か)とタイユ(次の500L、よりラスティックで存在感が強い)が厳密に区別される。ルベッシュ(最終フラクション)はAOCシャンパーニュへの使用が禁じられており、アペラシオン外の用途に回される。このような規制の厳格さがシャンパーニュの品質基準を担保する制度的柱のひとつとなっている。
果汁の分画は品質の階層を明確に映し出す。フリーラン・ジュース(ヴァン・ド・グット)は圧搾前または初期圧力で自然に流れ出す果汁で、全体の60〜70%を占め、最もアロマが豊かで繊細かつエレガントだ。一次プレス(0.2〜0.5バール)はバランスが良く果実味と構造の調和が取れている。二次プレス(0.5〜1.2バール)はよりしっかりとしたタンニンと苦みを持ち、雑味も増す傾向がある。プレス機のプログラムをどう設計するかは醸造家の最も重要な判断のひとつであり、高品質な白ワインやシャンパーニュほど低圧・短時間・多段階の戦略が採用される傾向が強い。
赤ワインの場合、プレスワージュはマセラシオン後(デキュヴァージュ時)に行われる。自然に流れ出るヴァン・ド・グット(フリーラン・ワイン)と圧搾によって得られるヴァン・ド・プレス(プレス・ワイン)は別々に管理され、プレス・ワインはタンニンと色素が濃厚で独自に熟成させた後、最終アッサンブラージュ時に5〜15%の割合でブレンドされ、骨格と奥行きをワインに与える。このブレンドの比率は年によって、またブドウの成熟状況によって変化するため、醸造家の経験と官能的判断が欠かせない。expertvin.be(ラ・ユルプの20hVin)とジュネヴァルのLa Cave du Lacでは、圧搾の精度にこだわる生産者のワインを厳選してご紹介している。