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WSTETのSAT(体系的テイスティング法)とは何ですか?

簡潔な回答

SAT(Systematic Approach to Tasting)は、WSET(ワイン&スピリッツ教育機構)が開発した構造化テイスティング手法で、外観・香り・味わい・総合評価の4段階で分析する。レベル2から導入され、標準化された語彙と客観的な評価基準によって、世界中のどこでも一貫した記述が可能になる。

詳細な回答

SATが日本の茶道における「点前」の型に似ているという事実は、ワイン教育の専門家の間でしばしば語られる。茶道が所作の順序を厳格に定めることで精神的な集中を生むように、SATは感覚の流れを体系化することで、個人の好みや気分に左右されない普遍的な評価を実現する。

外観の評価は三つの要素で構成される。まず清澄度(澄んでいるか濁っているか)、次に色の深度(淡い・中程度・深い)、そして色調そのもの(白ワインであれば麦藁色・黄金色・琥珀色、ロゼはサーモン・コーラル・オレンジ、赤はルビー・ガーネット・テラコッタ)。このわずかな観察から、ワインの熟成度・品種・醸造法について多くのことが読み取れる。

香りは三段階で評価する。まず状態(正常か欠陥があるか)、次に強度(弱い・中程度・強い)、そして香りの特徴を一次(品種由来)・二次(醸造由来)・三次(熟成由来)に分類して記述する。日本語で言えば「初香・発香・後香」に相当する概念だが、SATはさらに細密な語彙体系を持つ。

味わいの評価が最も詳細である。残糖量(辛口・やや甘口・甘口・極甘口)、酸度(低い・中低・中程度・中高・高い)、タンニン(量と質:細かい/粗い、熟した/未熟)、ボディ(軽い・中軽・中程度・中重・フルボディ)、風味強度、フレーバー特性、余韻の長さを順に評価する。この一連の評価を正確に行うには、少なくとも数百本のワインを同一の手順で分析する訓練が必要とされる。

総合評価では品質レベル(欠陥あり・許容できる・良い・非常に良い・卓越している)と熟成ポテンシャルを判定する。WSTEレベル3以上では、各評価に客観的な根拠を挙げることが義務付けられ、「感覚的に良い」という主観的な印象を超えた分析力が問われる。SATはスパークリングワインや酒精強化ワインにも適応版が存在し、各カテゴリの特性に対応した評価基準が設けられている。expertvin.beでは、このSATの考え方を基盤としたテイスティングノートを採用しており、20hVin(ラ・ユルプ、ベルギー)やLa Cave du Lac(ジャンヴァル、ベルギー)でのセッションでも実践的に活用されている。

SATの実践において見落とされがちな重要な点がある。テイスティングは「評価する」行為であると同時に「聴く」行為でもある。ワインに耳を傾け、そのミレジム(ヴィンテージ)の気候、生産者の哲学、テロワールの個性が語りかけてくる声を、SATというフレームワークを通じて受け取る。日本の武道における「守破離」——まず型を守り、やがて型を破り、型から離れて自由になる——と同じ道筋がSATにも存在する。まずグリッドを忠実に守り、その後に個人的な洞察が生まれる。SATは最終目標ではなく、真の鑑賞への入口だ。世界140カ国で毎年10万人以上がWSETの試験を受けており、その基盤となるSATは普遍的なワイン言語の確立に貢献している。

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