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シェリー(ヘレス)はどのように造られるのか?

簡潔な回答

シェリー(ヘレス)はスペインのアンダルシア、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、サンルーカル・デ・バラメーダ、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアの三角地帯でのみ造られる酒精強化ワインです。パロミノ・フィノを辛口発酵させた後、フィノ系(酵母膜フロール下で熟成)は15%、オロロソ系(酸化熟成)は17%にアルコールを強化し、ソレラ・システムと呼ばれる分画ブレンドで複数世代の樽を経て熟成されます。

詳細な回答

シェリーは世界で最も製造工程が複雑な酒精強化ワインのひとつであり、辛口発酵・アルコール強化・生物学的熟成または酸化的熟成・そしてソレラという4段階の工程が精密に組み合わさって初めて完成する。その複雑さと多様なスタイルの幅は、ワインの探求者にとって尽きることのない知的財産であり、世界のソムリエたちが最も深く研究するカテゴリーのひとつとして位置づけられている。シェリーの生産地域はアルバリサと呼ばれる白い石灰岩質土壌に広く覆われており、この特殊な土壌がパロミノ・フィノの独特な中性的風味と高い酸を引き出す地質的基盤として不可欠な役割を長年にわたって担ってきた。

最初の醸造工程では、ブドウ品種の95%を占めるパロミノ・フィノが9月初旬に収穫され、速やかに圧搾される。得られた果汁はステンレス・タンクで22〜25℃にて発酵し、アルコール度数11〜12.5%の辛口で中性的なベースワインが生まれる。このベースワインはほとんど個性を持たない均質な原酒だが、後続の工程で劇的に変貌していく点にシェリーの真髄がある。ペドロ・ヒメネスやモスカテル・フィノなどの品種は、天日干し(pasificación)による凝縮を経て極甘口スタイルや甘味付けブレンドに使われる独立したカテゴリーを形成しており、シェリーの多様性をさらに広げる存在となっている。

発酵後、セラーマスター(カパタス)がすべての樽を分類し、熟成方法を決定する。より繊細で軽いワインは生物学的熟成(バホ・フロール)に振り分けられ、15〜15.5%にアルコールを強化される。よりしっかりとしたワインは酸化熟成に向けられ、17%以上に強化される。生物学的熟成(フィノ/マンサニーリャ)では、15%のアルコール度数下で酵母フロール(主にSaccharomyces cerevisiae変種)が600Lのボタ(樽)の表面に膜を形成し、ワインを酸化から守りながらグリセロールと酢酸を消費し、アセトアルデヒド(アーモンドや青リンゴのアロマ)を生成する。サンルーカル・デ・バラメーダの海洋性気候はフロールをより厚く安定して発達させ、マンサニーリャ特有の塩気とヨード感を生む。

酸化熟成(オロロソ)では、17%以上のアルコール度数がフロールの生存を阻み、ワインはボタ内で空気と接触しながら熟成する。ナッツ・キャラメル・革・ドライフルーツのアロマが発達し、蒸発(年間2〜5%)による濃縮がワインの複雑さを深める。アモンティリャードはフィノとして出発しフロールが死滅した後に酸化熟成へ移行した中間スタイルであり、フィノの繊細さとオロロソの重厚さを兼ね備える。パロ・コルタードはさらに希少であり、フィノとして分類されながら自然にオロロソの特性を獲得した意図せぬ傑作で、アモンティリャードの香りにオロロソの口当たりという希有な組み合わせを持つ。

ソレラ・システムはシェリーの熟成哲学の核心であり、品質の一貫性を世代を超えて保証する天才的な仕組みである。ボタは複数の段(クリアデラ)に積まれ、瓶詰めに使うワインは常に最も古い段(ソレラ)から採取される。そこに上位のクリアデラから補充し、さらに上位から補充するという連鎖が続き、一回のサカ(採取)で全体の3分の1を超えることはない。30年のソレラは30年分の時間の断面をすべて内包しており、これがシェリーに特定のヴィンテージ表示がない理由でもある。この連続的なブレンドの哲学は時間を超越したワイン造りの美学であり、expertvin.be(ラ・ユルプの20hVin)とジュネヴァルのLa Cave du Lacでは、このシェリーの多様な世界を専門的な観点から紹介するセレクションを揃えている。

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