ソーヴィニョン・ブランとはどのようなブドウ品種ですか?
簡潔な回答
ソーヴィニョン・ブランはロワール渓谷(サンセール・プイィ・フュメ)とボルドー(グラーヴ白・ソーテルヌ)原産の白品種。グレープフルーツ・青草・トロピカルフルーツ・シラントロ・火打石のアロマが特徴的。ニュージーランドのマールボロが1980年代に「ソーヴィニョン革命」を起こし世界市場を変えた。
詳細な回答
ソーヴィニョン・ブランは世界で最も即座に認識可能な白品種だ。青草(メトキシピラジン)・グレープフルーツ・マンゴー・パッションフルーツ・猫のおしっこ(ニュージーランドの過熟した例)まで、その香りプロファイルは一度覚えると他のどの品種とも取り違えない独自性を持つ。この強烈な個性が世界的な成功の鍵だ。
名前の由来は諸説あるが、フランス語の「sauvage(野生)」+「blanc(白)」という「野生の白(vigne)」説が一般的だ。ソーヴィニョン・ブランはカベルネ・ソーヴィニョンの片親でもある(カベルネ・フランとの自然交配)ことが1996年のDNA研究で確認されている。
ロワール渓谷の産地(サンセール・プイィ・フュメ)は品種の精神的故郷だ。キンメリジアン・フリント系土壌が火打石・スモーク・金属的なミネラル感を加え、高い酸とグレープフルーツの緊張感あるスタイルを生む。熟成するとシュナン・ブランほどではないが数年の変容を見せる。ボルドーでは通常セミヨンとブレンドされ、グラーヴ白とソーテルヌ(甘口)が代表的。
ニュージーランドのマールボロ(南島北端)は1980年代にソーヴィニョン・ブランの世界的定義を書き換えた。クラウディ・ベイ(1985年初ヴィンテージ)が爆発的なトロピカル・青草・酸の組み合わせで欧米市場を席巻し、「ニュージーランド=ソーヴィニョン・ブラン」というイメージを確立した。現在マールボロは世界最大のソーヴィニョン・ブラン産地だ。
南アフリカ(コンスタンシア・ダーリング)、フランスのラングドック・ペイ・ドック、チリのカサブランカバレー等でも高品質なソーヴィニョン・ブランが生産されている。
驚くべき事実として、ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランの急成長は世界のワイン消費パターンを変えた。1985年当時ニュージーランドは国際的なワイン産地として無名に近かったが、ソーヴィニョン・ブランの成功が一国のワイン産業全体を国際市場に引き上げた。品種が国の産業を変えたという点で、マールボロのソーヴィニョン・ブランはワイン産業史上最も急速な国際化の成功例の一つだ。
ソーヴィニョン・ブランの特徴的なチオール類は、ブドウ果汁中ではシステインやグルタチオンと結合した無香の前駆体として存在する。発酵中に酵母(特にSaccharomyces cerevisiae)が産生するカルボキシペプチダーゼという酵素がこれらの前駆体を切断し、揮発性チオール類(4MMP、3MH、3MHAなど)を遊離させる。ボックスウッド(黄楊)、グレープフルーツ、パッションフルーツの香りはこのメカニズムから生まれる。また、日照量と土壌温度がピラジン類の蓄積を制御し、冷涼な年や収穫が早い場合は青草や青ピーマンのニュアンスが強まる。expertvin.beでは、ロワール(サンセール、プイィ・フュメ)からニュージーランド(マールボロ)、南アフリカ(コンスタンシア)まで、チオールとピラジンのバランスが異なる多様なソーヴィニョン・ブランを揃えている。